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    出張中に読んだ本 おもかげ 浅田次郎

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      東京日帰り出張の際に読んだ本です。
      浅田次郎さんは、「メトロに乗って」や「鉄道員」などの代表作がありますが今回読んだ最新作は、私より約10歳上の定年を迎えた主人公の話でした。
      主人公の生い立ちは、捨て子で自分の本当の名前すらわからない、親兄弟と全く関わりを持たないで生きてきたというもの。養護施設で育ち、奨学金制度を使い大学に行き一流商社に入社します。主人公は、ごく普通に結婚し、子供にも恵まれますが、自分の出自の事は、家族にもほとんど話をしていません、
      定年の翌日、お別れ会の帰りの地下鉄の中で脳疾患により意識不明になり、病院に運ばれますが外科的処置はされず、昏睡状態となります。その際の不思議な話が続いていきます。
      80歳くらいの老婦人とのディナーから始まり、30代後半のレディ、15歳の若い母親との不思議な臨死状態での関わりが続いていきます。
      家族にも話せない自分の出自の話を集中治療室の隣にいる瀕死の患者には何故か話をします。
      また4歳で交通事故で亡くした息子とも、語り合います。
      このまま息子とあの世に旅立つのか?
      しかし息子は、母親や妹、また妹の子供らに主人公が忘れたい今まで話せなかったことを伝えてほしいと告げます。
      人間50年も生きていると、忘れたいこともたくさんありますが他人にはなかなか話すことは出来ません。しかし心の何処かで、解放して楽になりたいと考えているのではないか?
      相手を傷付けないことは出来るだけ伝えたいと思います。
      主人公が死の淵から蘇り、残りの人生を満足出来たらいいな、と心から思います。

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